柿生駅から徒歩8分。坂道を上った住宅街に「就労移行支援事業所働くしあわせJINEN-DO」がある。
障がい者の就労を支援するため、体力づくりや食育、対話能力や本人の長所を引き出すさまざまなプログラムを実施。
代表の石田和之さん(41)には知的障がいのある息子さんがいる。企業コンサルタントとして会社勤めしていたときは、息子さんの将来を心配し、経済的成功を求め、お金をためることばかり考えていた。しかし不安が消えることはなかった。
障がい者雇用の現場に足を運び、見学するうちに、障がい者の弱みを補い、長所を生かすことができる経営者や管理職を育てることが重要だと気がついた。働く場を提供する雇用側の意識を改革するための教育プログラムや、雇用される障がい者にも働ける体力や気力、コミュニケーション能力を身につける必要性を確信した。
「息子とともに働ける会社を作る」という思いは、「一人ひとりが輝き、働く幸せを感じられる社会をつくる」という大きな夢になった。「どんな人にも存在価値と無限の可能性があります。働くことは他人に必要とされること、地域や仲間とつながること」。
2013年5月、仲間とともに就労を希望する人を支援する法人を設立。夢に向かってまい進中だ。
2012年9月1日 神奈川新聞掲載
(取材・文 市民記者 佐々木直子)
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